腸がむくむ!むくみ腸っていったい?
人の健康にとって、とても重要な臓器です。
むくみ腸を放っておくと、どんどん悪化し、
大腸癌などの命に関わる病気に進行する可能性もあります。
今回は、むくみ腸の原因や解消法など、むくみ腸についてまとめました。
腸の健康を守り、病気を防ぎましょう。
むくみ腸とは?
水分を溜め込み、細菌や臓器がパンパンに張る状態を「浮腫み」といい、
浮腫みは、顔や手足に起こりやすいのは周知の事実ですが、腸が浮腫むこともあります。
食事をした後、大腸で吸収した水分をきちんと排出できなくなり、
腸内環境が悪化することで大腸が炎症を起こし、その結果、腸が浮腫んで腫れぼったくなっている症状を「むくみ腸」といいます。
又、慢性的な便秘の方は、腸がむくんでいる場合が多いといわれています。
あなたも「むくみ腸」かも?
~むくみ腸のセルフチェック~
・3日以上便通がない状態が月に数回ある。
・便秘薬を5年以上服用している。
・常にお腹の張り(膨満感)を感じる
・おならが臭い
・毎回残便感がある
・お腹が固い
・脚や顔も浮腫む
上記の項目の中から1つでも当てはまる方は、むくみ腸の可能性があります。
「むくみ腸」になるとどうなる?
・便秘の解消を妨げる為、慢性的な便秘になる
・太りやすくなる
・風邪やインフルエンザ等の感染症にかかりやすくなり、感染をした場合は症状が悪化しやすくなる
・便秘と下痢を繰り返す過敏性大腸炎、更に悪化すると大腸癌の原因となる
・動脈硬化や高血圧、冷え性などの様々な害を起こす可能性が高くなる
・免疫力が低下する為、病気にかかりやすくなる
むくみ腸の原因
むくみ腸になる主な原因は、腸の血流障害とされていますが、
腸の血流障害以外の原因となっていることや、腸の血流障害が起きてしまう要因等についてもまとめてみました。
血流障害
主に便秘や下剤を慢性的に服用することによって起きる、血流障害が原因ともいわれています。
腸の血流が滞ることで水分が流れず、腸壁に溜まることで浮腫みが発生します。
腸内環境の悪化
慢性的な便秘になると便の腐敗が進み、悪玉菌が増加する為、腸内で有害物質が生産されます。
この有害物質によって、腸内環境が悪化し、善玉菌が減少し、腸の栄養の吸収を妨げます。
更に、腸内で発生した有害物質は血液に乗って全身を巡り、汚れた血液は循環されない為、むくみ腸となります。
更に悪化すると、動脈硬化や高血圧、大腸がんとなるリスクが高くなります。
腸の粘膜の炎症
便秘などによって有害物質が溜まると腸に弱い炎症が起こります。炎症自体が弱くても、慢性的に続くと腸の細胞にダメージが起き、浮腫み腸となります。
更に悪化すると、身体を守る免疫機能に影響を与える為、大腸癌等の原因となってきます。
女性ホルモンの分泌
女性の方は、生理前に女性ホルモンの1つである黄体ホルモンが分泌されることによって、腸の動きが鈍くなり、便秘になりやすくなります。
血行不良
女性は筋肉が少なく、皮下脂肪が多いので冷えやすい身体の構造をしています。冷えによる血行不良によって浮腫み腸となりやすくなります。
運動不足
デスクワーク等で1日中同じ姿勢で座りっぱなしでいるなど、日常、動かない生活をしていると、
腸に刺激を与えることができず、浮腫み腸となりやすい。
自律神経の乱れ
自律神経の不具合などで蠕動運動が鈍ったり、黄体ホルモンの働きで腸が水分を吸収しすぎてしまう事で腸が浮腫むことがあります。
慢性的な便秘
慢性的な便秘となると、腸内で腐敗が進み、その結果、悪玉菌が増える為、腸粘膜が炎症を起こしやすくなります。
長期下剤の服用
刺激物である下剤を長期間服用すると、刺激によって腸粘膜に炎症が起こりやすくなり、腸内の血流障害が起こる為、浮腫み腸となります。
下剤は腸にとっては刺激物となり、下剤の刺激によって、腸の粘膜が炎症を起こし、血流を阻害します。
(下剤を常用すると、自力で排便をする機能が失われ、便秘が慢性化する可能性が高くなります。)
早食い・ドカ食い・朝食抜き等の食生活
早食いやドカ食い等をすることで、
急に多量の食べものが腸に入ることで、血流が一気に腸に流れることになり、じきに一気にサーっと引いていきます。
これを繰り返すことで血流障害が起こり、浮腫み腸の原因になります。
食生活の乱れ
むくみ腸の解消法(セルフケア)
むくみ腸は専門医での治療も有効ですが、セルフケアで予防&改善ができる場合もあります。
食生活を改善する
むくみ腸の原因となる便秘になりやすい食生活を改善し、
便秘解消を目指しましょう。
■ 暴飲暴食を控える
■ ドカ食い、早食い、朝食抜きを辞める
■ 規則正しい食生活
決まった時間に食事をとることで、生活リズムができ、決まった時間に便意をもよおしやすくなります。
便秘解消効果のある食材を摂取する
肉食に偏らないようバランスの良い、食事を心がけ注意しましょう。
■ 食物繊維を摂取
むくみ腸の予防や改善の為には、便秘を解消することが要となります。
食物繊維には水溶性と非水溶性があり、水溶性食物繊維は便を柔らかくし、非水溶性食物繊維には便のかさを増し、蠕動運動を促進する働きがあります。水溶性食物繊維と非水溶性食物繊維をバランスよく(不溶性2:水溶性1が好ましいと言われています)摂取することで、快便効果が期待できます。
・不溶性食物繊維を多く含む食材とは?
野菜(特に根菜)、玄米、ライ麦などの穀類、いも、豆類、海藻、こんにゃく等。
・水溶性食物繊維を多く含む食材とは?
果物、海藻、キノコ等。
■ 乳酸菌を摂取する
ビフィズス菌(乳酸と酢酸を作り出す細菌)は、腸内で乳酸と酢酸を生み出す働きをするといわれていて、酢酸は腸の蠕動運動を促進するので、快適な便通効果が期待できます。
乳酸菌は、腸内環境を整える働きをすると言われているので、積極的に摂りましょう。
~ヨーグルトがおススメ~
ヨーグルトには、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が豊富に含まれているので、整腸効果が期待できます。
(むくみ腸は腸を冷やすと良くないので、ヨーグルトは温めて食べると良いです。
ホットヨーグルトは、夕食時に食べるのが便秘解消には効果的のようです。)
■ 特に便秘改善に効果的な食べ物とは?
大根、ヨーグルト、バナナ、りんごなど
大根はアミラーゼという消化酵素や水溶性食物繊維を豊富に含んでいるので、便を柔らかくしたり、炭水化物の消化を促進する働きがあり、
便秘解消効果が期待できますが、アミラーゼは熱に弱いので、大根は生で食べるようにしましょう。
■ カリウムを摂取する
カリウムには利尿作用があり、浮腫みを解消する効果があります。
・カリウムを含んでいる食とは?
干しバナナ、バナナ、りんご、スイカ、ナシなどのフルーツ、キノコなどの菌類、きゅうり等。
(干しバナナは、バナナの約4倍の栄養素が濃縮されている優秀な食材です。
バナナチップを間食で食べるのも〇。
カロリーが気になる方は、無糖バナナチップがおススメです。)
■ 発酵食品を食べる
発酵食品は腸内環境を整える効果があると今、話題になっていますよね!
・発酵食品にはどんなものがあるの?
キムチ、ぬか漬け、イカの塩辛、ピクルス、サワークラフト、お醤油、メンマ、本みりん、鰹節、麹、酒かす、天然酵母、甘酒、日本酒
味噌、漬物、お酢、納豆、ヨーグルト、チーズなど。
下剤を使用しない
腸を刺激することで便の排出を促す下剤は、常用すると、腸の粘膜の炎症を起こし、血流障害を悪化させる可能性があるので、下剤の使用は控えましょう。
腹筋を鍛える
腸から便を排出するには、十分な腹筋が必要となります。
お腹周りの筋肉を鍛えることで、便を押し出す筋力が高まり、血流が促進され、腸管を刺激することができるので、便通が改善される可能性が高まります。
身体を温める
身体が冷えると浮腫みが発生します。
身体を温めることで、血流が促進され、代謝も良くなるのでむくみの改善効果が期待できます。
~身体を温める具体的な方法~
■ 筋力トレーニング
身体の筋肉が少なくなると身体が冷えやすくなります。
特にふくらはぎの筋力アップが冷え改善には重要です。
■ 身体を温める食材を摂る
・身体を温める食材とは?
根菜類(人参、牛蒡、れんこん等)、寒い地域や時期にとれる野菜(ほうれん草、かぼちゃ、大根等)、色の濃い野菜(にら、生姜、小松菜、唐辛子等)等。
腸を温める
腹巻をする。お腹にカイロ張る。ゆっくり湯船に浸かる、暖かい食べ物や飲み物を飲む等をして、腸を温めるよう心がけましょう。
・副腎を温める
副腎とは、骨盤の中にある臓器で、血液の循環や免疫機能などの様々の身体の機能を司っています。
副腎を温めると血行が促進され、冷え改善効果が期待できるので、カイロを貼る等して、腰より少し上の部分を温めるとよいです。
ウォーキングや有酸素運動をする
ストレッチや簡単なエクササイズをする
同じ姿勢を長時間続けていると、血流が悪くなり、浮腫みやすくなりますが、
それと同様に腸も刺激を受けないと、腸の血流が悪くなり、むくみが生じやすくなります。
腸に刺激を与えるように、ウエストをひねったり、背伸びをしたりとストレッチを日常こまめにすることで、腸を刺激し、むくみを解消できます。
■ 1日10分でできる、簡単な「腸活エクササイズ法」を3つ紹介します。
慢性的な便秘に悩んでいる方は実践してみて下さい。
~大腸わしづかみ運動で、詰まった大腸に刺激を与える!~
1、左手で肋骨部分(ウエストのくびれ部分)、右手で骨盤の出っ張り部分を強く掴む。
2、1の状態で、腰をゆっくり回す
3、反対の手で、1~2を行う
1~3を20回繰り返す。
~寝ころびストレッチ~
1、仰向けになり、両膝を立てる。
2、手で床を押しながら、お尻を上に上げる(お尻を宙に浮かす)
3、お尻の上げ下ろしを1セット20回繰り返す。
~横行結腸(横行結腸と下行結腸のつなぎ目)のマッサージ~
1、足を肩幅より広めに開いて、両手を肩の位置まで上げ、広げる
2、上半身を左右にひねる
1~2を5分間位行う
まとめ
体内の最大の免疫器官である腸の健康は、大げさでなく、人生を左右するといわれるぐらい重要です。
腸がむくむと腸内環境が悪化し、様々な病気にかかりやすくなり、
重篤な病気へ進行する可能性が高くなります。
腸がむくんでいると感じる方は、早めに生活習慣を改める又は、
専門医へ相談されることをおススメします。
そして、腸が浮腫まない為にも、腸内環境が良くなるような健康的な生活を送りましょう。