遺伝と肥満の関係性
確かに親子似た体型をしているケースは多いですが、本当に遺伝のせいなのでしょうか?
今回は肥満と遺伝の関係性についてお話します。
Contents
遺伝子とは?
遺伝子とは、私達の身体をつくる為の設計図のようなものです。
人の身体を作り、生命を維持する為には、いつ、どこで、どれだけ、どんなタンパク質を作るかという多くの情報が必要ですが、その情報を遺伝子といいます。
その遺伝子は「DNA」と呼ばれる物質からつくられています。
遺伝子を構成しているDNAの違いによって、肥満や背が高い又は低い等の身体の特徴や、ある病気にかかりやすい等の体質も決められています。
肥満は遺伝が原因?
日本肥満学会の発表では、「両親共に肥満の場合は子供の肥満発生率は約80%、どちらか片親が肥満の場合は子供の肥満発生率は約50%、両親とも標準体重である場合は子供の肥満発生率は約10%」と報告されています。
これを見ると、肥満の原因は親の遺伝のように思いますが、肥満の原因は「遺伝が3割・生活習慣や環境が7割」といわれているようです。
家族が皆同じような体型になるのは、私達は幼児期から親に与えられたものを食べ続けている為、食生活も影響を受けますし、生活スタイルや考え方も影響を受ける為、自然と似るのだと思います。
「親が太りやすい生活をしていると、子供も同じライフスタイルをしがちになるので、太りやすくなってしまう」等の、遺伝的要因よりも環境要因によって肥満となる傾向が高いようです。
肥満遺伝子について
人の遺伝子は約32000種類あるといわれていて、現在50種類以上の肥満遺伝子が発見されています。
肥満遺伝子は、遺伝子異常で、基礎代謝量を抑制する働きをします。
日本人の97%がもっている肥満遺伝子とは?
日本人の97%が、下記の3つの肥満遺伝子のうち最低1つを持っているという研究結果が報告されています。
日本人が多くもっている肥満遺伝子とは、
●りんご型(糖質リスク型)
●洋なし型(脂質リスク型)
●バナナ型(エネルギー消費リスク型)
の3つです。
上記の3つの遺伝子は誰もが持っているものですが、この遺伝子に変異があるかどうかが問題となってきます。
3つのどの遺伝子に変異があるかで、太り方や、痩せ方が違うことが最近の研究で分かってきたそうです。
肥満遺伝子のタイプ
日本人のほとんどが持っているといわれている3つの肥満遺伝子を、タイプ別に解説をします。
各、肥満遺伝子のネーミングの理由は、フルーツの形がそれぞれの体形のイメージに近いからだそうです。
●りんご型
ベータ3アドレナリン受容体遺伝子の異常によるもの。
これによって体内に蓄えられた中性脂肪の分解がされにくくなり、内臓脂肪がつきやすいので、お腹が出やすくなります。
基礎代謝は通常に比べてて200kcal低くなります。
りんご型肥満遺伝子は日本人の約30%が持っているといわれており、男性に多く見られます。
●洋なし型
脱共役タンパク質1遺伝子の異常によるもの。
これによって脂質の代謝が低下し、お尻やふともも等の下半身に脂肪を溜め込みやすくなります。
又、基礎代謝は通常に比べて100kcal低くくなります。
洋梨型肥満遺伝子は、日本人の34%が持っているといわれており、女性に多く見られます。
●バナナ型
β-2アドレナリン受容体遺伝子の異常によるもの。
これによって脂肪の分解がされやすく、基礎代謝は通常に比べて300kcal高くなります。
タンパク質もエネルギーとして使用するので、筋肉がつきにくくなります。
全体的に細くて手足が長い人が多いですが、太ると全体的に大きくなり、最も痩せにくいタイプです。
バナナ型の肥満遺伝子は、日本人の男女ともにみられ、約24%が持っているといわれています。
肥満遺伝子型別ダイエット方法
殆どの日本人が持っているといわれている、上記で解説した3種類の肥満遺伝子別に、
それぞれに適したダイエット方法を紹介します。
りんご型のダイエット方法
りんご型の肥満遺伝子を持っている方は、糖の代謝が通常よりも低く、内臓脂肪がつきやすいので、甘いものや炭水化物などの糖質の食べ過ぎに注意をし、有酸素運動などで内臓脂肪を燃焼させましょう。
洋なし型のダイエット方法
洋なし型の肥満遺伝子を持っている人は、脂質の代謝が通常よりも低く、下半身デブになりやすい傾向にあります。
脂質の多いものは控え、下半身の筋肉をつける運動が効果的です。
バナナ型のダイエット方法
バナナ型の肥満遺伝子を持っている人は、タンパク質がエネルギーに使用されるので、筋肉がつきにくく衰えやすい傾向にあります。
タンパク質の食べ物を多く摂取し、筋トレ等で筋肉を増やすよう心がけると良いでしょう。
まとめ
肥満遺伝子に異常があっても、生活習慣等を気をつけることで痩せることは十分に可能です。
肥満の原因は遺伝だからダイエットしても無駄と諦めずに、
自分はどの肥満遺伝子タイプかを自覚し、それぞれのタイプに合ったダイエット法を実践してみて下さい。